建設業の法改正と資金管理――
2026年、手形60日規制が経営に与える影響
2026年度末を控え、多くの建設現場が完工に向けた最終局面を迎えています。この時期、経営者様が最も注視すべきは現場の進捗だけでなく、「法改正に伴う支払いサイクルの変化」です。
1. 猶予なし。約束手形の「60日規制」が本格化
下請法の運用厳格化により、これまで建設業界の慣習であった120日サイトなどの長期手形は事実上禁止されました。現在は資本金1,000万円超の企業が親事業者となる場合、手形の期間を60日以内に設定することが義務付けられています。
中小企業同士の取引でも無視できない理由
たとえ資本金条件に該当しなくても、建設業法や振興法のガイドラインにより、業界全体で「短縮化」がスタンダードになっています。元請が支払いを早める動きを見せる一方で、二次、三次下請けへの支払い遅延はコンプライアンスリスクとして厳しく評価される時代です。
2. 労務費転嫁と「原価割れ契約」の禁止
建設業法の改正により、労務費(人件費)を著しく低く抑える契約は法令違反となる可能性が高まりました。資材価格の高騰に加え、適切な人件費の確保が求められる今、見積段階からの正確なコスト算出が、これまで以上に企業の存続を左右します。
3. コンプライアンスとキャッシュフローの整合性
制度が改善され、入金が早まる方向に動いているとはいえ、建設業特有の「材料費・外注費が先行し、完工入金までをどう凌ぐか」という本質的な課題は変わりません。むしろ、支払期限の短縮により、これまで以上に精度の高い資金計画が求められています。
法改正は、適正な利益を守るための武器になりますが、同時にキャッシュフローの管理には、より機動的な対応が求められます。制度を正しく理解し、自社の財務体制を最新のルールに適合させていくこと。それが2026年の建設経営における「攻めの守り」となるはずです。
建設業特有の資金繰り課題、売掛金の活用についてもご相談ください。
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